「アートと音楽-新たな共感覚をもとめて」
坂本龍一+高谷史郎《LIFE - fluid, invisible, inaudible…》 2007年
Photo:丸尾隆一(YCAM)
写真提供:山口情報芸術センター [YCAM]
東京都現代美術館では、2012年10月27日(土)から2013年2月3日(日)にかけて、「アートと音楽-新たな共感覚をもとめて」が開催されます。
音楽とヴィジュアルアートは互いに密接な関係をもちながら進化してきました。20世紀の初め、作品がさまざまな感覚を呼び起こすような総合芸術をめざしたカンディンスキーや、音楽を記号的な正確さでイメージ化しようとしたクレーがその例です。聴覚と視覚を横断することで可能となる、豊かな感性の領域と表現の広がりは60年代のジョン・ケージらによって実験的な形で検証されました。
そして今、デジタル技術の発展により、イメージはピクセルに分解されて記号や数値として処理され、音もPCのディスプレイ上で視覚的に作曲されるなど、アートと音楽は創作の過程においても近似しています。一つのコンピューターで映像、画像、音を同時に扱う世代のクリエイターたちは、より密接な、「新たな共感覚」とでも呼べる総合感覚をもって、多用な表現を試みています。
本展は、総合アドバイザーに音楽家の坂本龍一さんを迎え、現代における音楽とアートの新しい関係について問いかけます。大きなスケールの展示空間に、「見ること」と「聴くこと」が交錯する個性豊かな作品が展示されます。
本展について坂本龍一さんは下記のコメントを発表しました。
「アートと音楽は、二つの異なるジャンルということになっている。しかし音をもってするアート、あるいは視覚表現による音楽というものも、あるんじゃないか。また、アートとも音楽とも、どちらとも言えず、どちらとも言える表現もあるんじゃないか。アートと音楽による共感覚、またその境界領域を探ることで、ヒトの芸術表現の根源だけでなく、その未来も垣間見えるんじゃないか、そんな期待をこめてこの展覧会は催されます。」
本展のみどころは、池田亮司さん、カールステン・ニコライといった、現代の音楽シーンで活躍する作家から、カンディンスキー、クレーの絵画やジョン・ケージや武満徹さんの図形楽譜など、現代の視点だけでなく、歴史的な観点からもアーティストや音楽家がこれまでどのように音楽と視覚芸術との関係の探求を試みたかを紹介します。
[出品作家] ※アルファベット順
セレスト・ブルシエ=ムジュノ
ジョン・ケージ
マノン・デ・ブール
フロリアン・ヘッカー
池田亮司
ワシリー・カンディンスキー
パウル・クレー
ウドムサック・クリサナミス
カールステン・ニコライ
大西景太
オノセイゲン+坂本龍一+高谷史郎
大友良英リミテッド・アンサンブルズ(大友良英、青山泰知、Sachiko M、堀尾寛太、毛利悠子)
クリスティーネ・エドルンド
坂本龍一+高谷史郎
ザ・サイン・ウェーブ・オーケストラ
武満徹
田中未知・高松次郎
バルトロメウス・トラウベック
ステファン・ヴィティエロ
八木良太
会 期:2012年10月27日(土)-2013年2月3日(日)
時 間:10:00-18:00(入場は17:30まで)
会 場:東京都現代美術館 企画展示室B2F、1F
休館日:月曜日(ただし12/24、1/14は開館)、12/25、年末年始(12/28~1/1)、1/15は休館
主 催:東京都、東京都現代美術館・東京文化発信プロジェクト室(公益財団法人東京都歴史文化財団)、東京新聞
助 成:芸術文化振興基金
観覧料:一般1,100円/ 大学生・65歳以上850円/ 中高生550円/ 小学生以下無料
住 所:東京都江東区三好4-1-1
http://www.mot-art-museum.jp/
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