2018年3月10日(土)から、ワコウ・ワークス・オブ・アートにて、ミリアム・カーンの個展「photographs」が開催されます。
ミリアム・カーンは1949年スイス生まれのアーティストで、バーゼルとブレーガグリアを拠点に活動しています。油彩をはじめとする作品には、ユダヤ系をルーツに持つ自身のアイデンティティーと、戦争や核問題などの具体的な社会問題に正面から向き合う強いテーマ性を持ち合わせています。2017年の昨年は、1982年に続き2回目の選出となった「ドクメンタ14」に参加し、アテネ会場ではドローイングと詩、カッセル会場では複数のペインティング作品を発表し、展示室を広く使った複合的な展示構成を行いました。
ワコウ・ワークス・オブ・アートで過去2回開催された個展では主に油彩画が紹介されていましたが、本展覧会ではミリアム・カーンが撮る写真の魅力に注目し、写真作品を中心とした展示構成となっています。屋外に描いた自作のドローイングを撮影した写真作品や、アトリエを構えるスイス・ブレーガグリアの自然に囲まれて行った撮影や現像の写真作品が展示されます。ミリアム・カーンは本展覧会の他にも、3月16日から始まる『第21回シドニー・ビエンナーレ』に1986年以来2度目の参加をする他、2019年には、パブロ・ピカソの《ゲルニカ》で知られるマドリードのソフィア王立芸術センターで、大規模な個展開催が決定しています。
「photographs」の会期は2018年5月12日(土)まで。